営農支援システム アグレンジャー

有識者インタビュー

米・食味分析鑑定コンクール
国際大会で金賞受賞

岩島精米所 岩島正卓さんに聞く
「圃場環境データを基に、高品質栽培を実現!
データ活用の必要性について」

プロフィール

岩島精米所代表
飛騨高山おいしいお米プロジェクト代表
岩島正卓さん

2012年 米作り開始
2013年 岩島精米所代表就任
2023年 米・食味分析鑑定コンクールにて金賞受賞
2023年 世界最高米に認定
2024年 飛騨高山おいしいお米プロジェクト代表就任

「飛騨高山おいしいお米プロジェクト」について教えてください。
「飛騨高山おいしいお米プロジェクト」は、岐阜県高山市飛騨高山にて、「日本一美味しいお米づくり」を目指して活動している有志のメンバーで構成されています。私たちは、この地域特有の気候と環境を最大限に活かし、より良い米作りに取り組んでいます。岐阜県が公開している農作物に関するデータや、自分たちの圃場で得たデータを共有しながら、お互いに高みを目指しています。このネットワークのもと、飛騨高山で生産されたお米は数々のコンクールで賞を受賞しています。私自身も「第25回 米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で金賞を受賞することができました。
飛騨地方の独特の気候や条件について教えてください。
飛騨地方の気候は冷涼で、冬季には積雪が多く、これが地元の農業に独特の特徴をもたらしています。高山市の標高は400~900メートルで、年平均気温は10℃前後、昼夜の温度差も約10℃と大きいです。また、北アルプスの雪解け水が豊富で、ミネラル分を含んだ良質な水で栽培されています。これにより、飛騨高山で作られるお米は甘みと粘りのある美味しいものに育ちます。
最近では気候変動が深刻な問題となっていますが、
これが日本の米作りにどのような影響を与えているか教えてください。
日本の米作りでは、環境と気候が非常に重要です。特に気温の変動は大きな影響を与えます。過去15~20年の間に気温が顕著に上昇しており、稲作にとって重要な課題となっています。
スマート農業技術の導入についてお話しいただけますか?
私の農場では、圃場管理や生産記録のデータ化、専用機器による水管理の自動化、AI予測による天気や風向きを利用した農作業など、スマート農業に取り組んでいます。その一環として、アグレンジャーの温度湿度センサーを導入し、圃場の正確な気候データを取得して適切な農作業を行っています。美味しいお米を作るためには温度や湿度が大きく影響するのですが、私が以前に活用していた気象情報は、地域全体の気象状況を捉えたデータであるため、実際に圃場へ行くと情報とは少し異なることがありました。アグレンジャーの温度湿度センサーは圃場に直接設置することができるため、正確な気温や湿度のデータが得られ、適切な農作業の判断に役立ちました。
 
具体的にはどのようにリスク管理を行っているのですか?
アグレンジャーのセンサーは病害虫の予測や豪雨による水没被害の事前把握にも非常に有効です。たとえ圃場から離れた場所にいても、センサーの通知内容によって適切な対策を迅速に行うことができます。これにより経済的損失を最小限に抑えています。その他にも、私の圃場では、朝方に霜の降るような寒い時にあえて苗を外気に触れさせることで甘みを引き出すスパルタな育成方法をしています。これまでは「明日は冷えそうだ」と勘で行っていたのですが、今ではアグレンジャーの温度センサーによって温度を監視しながら育苗することができています。
農業において今後の課題はありますか?
現状では、農家の減少と高齢化が進行しており、そのため圃場の集積化が進んでいます。これにより、一人が担当する作業が増えてきているのが現状です。アグレンジャーは作業を軽減するための非常に有用なアイテムです。圃場の管理や水管理、リスク予測など多岐にわたる作業を効率化してくれます。
今後の目標を教えてください。
私自身、水田と日本のお米の存在を守りたいという強い意志を持っています。そのために、飛騨高山の農家が長年にわたって培ってきたお米作りの技術と、最新のスマート農業の技術を組み合わせることで、高齢化や過疎化が進む地域でも持続可能な米作りを実現したいと考えています。これにより、私たちの食卓を支えるお米の安定供給を確保し、同時に地域、日本の自然環境を守ることができると信じています。

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